センチメンタル。

私はアラーキーが好きだ。
生々しいヌードや生々しい花の写真の印象も強いけど、
奥さんの陽子さんを撮影したものは、
本当に素晴らしいと思う。愛であふれている。
8日、市美でのオープニングにお邪魔してきた。
荒井さん、本当にありがとうございました。
と、見てないだろうけど、書いとく。本当に感謝です!
アラーキーは、以前お会いしたときよりも確実に年を取っていて、
少し小さくなった気がした。
片目は見えないし、歩きもちょっと、心配だったなぁ。
でも、まっすぐな気取らない物言いは、やっぱりステキだ。
ハニカミながら写真を説明していく姿は、
もう、そのものが『愛』なんじゃないか、
なんて思えてくるほど、たまらなかった。
陽子さんとの新婚旅行の写真は、
二人だけの『愛』の時間を覗き見した気持ちになりながらも、
溢れまくる愛にただ感激して、涙が出た。
アラーキーは愛を旅している。
人間がわからない愛を写真に撮りたいと思って、
写真を撮り続けている。そんなこと言っていた。
聞けてよかったし、なんかわかる気がした。
なんで写真を撮るか、なんて、
理由を聞かれても答えられるものじゃなくて。
うまく言えないけど、写真そのものが愛なんだ、みたいな。
ここからまだまだ写真を撮り続けたいと言っていた。
思ったのは、写真がセンチメンタルなのは、
アラーキーがセンチメンタルだからだなってこと。
って、当たり前か。センチメンタルの素晴らしさ。
苦労って、したくて出来るものじゃないけど、
なんかきっと私は、いろいろあった方っぽいから、
そういう意味では、センチメンタルが強い生き物なのかもな、
なんて思ったりして。
でも、思えば、それもラッキーなのかも、とか。
写真を見ながら、自分の周りに起こったこととか、
好きな人のこととか、もう会えない人のこととか、
いろんなことを思ったからか、もうたまらなかった。
生意気だけど、写真を見てこんな気持ちになるのは、なかなかない。
展示会場に入ったところにある赤い文字で書かれた文章。
素晴らしかった。
本当の写真がここにあると思った。
陽子さんとの写真を一人占めで見られたこと。
ラッキーだった。
とはいえ、ヌード写真やら卑猥と言われそうな写真も満載で展示してありますので、
親御さんと一緒とか、小さいお子さん連れのご家族とか、付き合いたてのカップルとか、要注意ですよ。
まぁ、もろもろ、学校では見せたくないような写真もあったりして。
気まずい感じにならないような人と見に行ったほうがいいと思います。
私はあと何回か、一人で見に行くだろうな。
あ、野村佐紀子さんもご一緒にいらしてて、なんだか感激だった。
ホント、憧れの人に会えたこと。続けてきてよかったと思った。
意味はあるね、どんなことでも。

いやぁ、もっとちゃんといい写真撮れるようにがんばります。
頭空っぽにして、自分の写真を、本当の写真を。